オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 3pt | 5pt | 5pt | 5pt | 4pt | 1pt |
89pt
GOOD!
<サウンド・5>
BGMや歌や声優陣演技の良さや用意された曲の豊富さの評価も勿論ありますが、
演出への組み込み方と音の使い方が素晴らしいと思い惹かれる部分でした。
私としては一番のお気に入りの曲はclosingでプラチナ取得後も10回以上は聴きました。
アンプとか別途で音響設備を充実させてからもう1度プレイしてみたくなりました。
<熱中度・5>
豊富なテキスト量に加えて山場(修羅場?)もいくつかあって読み甲斐がありました。
攻略可能キャラクターもいろいろと一癖二癖抱えた設定を各自持っているのですが、
その寄り添う周りの人間関係に関しても深く濃く描かれている点も良かったです。
携帯電話とストーリーの絡め方も上手いなぁと思ったところもいっぱいありましたし、
あらゆる面での描写に優れたゲームだなというのはとにかく感じましたので熱中度は満点です。
<快適さ・4>
自分でいじらなくてもボタン配置を考えず遊べる点とか面倒臭さが無く良かったです。
単純に機能が足りないとか多すぎるとって事もなくとにかく必要なものだけを用意した、
そんな試みが伺える構成になっているようで読む事に集中できる環境が作れてると思います。
でも逆に触りまくるのが好きな人にはもしかしたら物足りないと思う事かもしれません。
BAD/REQUEST
<グラフィックス・3>
外見的な意味での造形が良く出来てるキャラクターが大半だと思うのですが、
体型が不自然だとか作画的にどこか不安定なケースが見受けられたのは残念でした。
購入を決めた理由の1つにキャラクターが良さそうというのも少なからず大きかったので、
せっかく背景だとかリアルに描けてる所も多く勿体無い部分じゃないかなと思いました。
<快適さ・4>
インストール用意した意味あるのかな?って思う程に変化があまり分からなかったです。
BDのみで進行してもアクセスが速くそういう意味では技術的に優れてるとも言えますが、
1800MB以上の領域を食うだけの恩恵がBDドライブ消耗軽減以外にあったのかな?と思いました。
テキストを送る速さがもっと上がるとか明らかに目に見える効果は欲しかったかなと。
初期型みたくHDD容量が少ないプレイヤーさんからするとHDDを食わないのは逆に良いかもです。
あと軽く触っただけですぐ反応するL2とR2にボタンを割り振らないで欲しかったです。
COMMENT
<満足度・5>
各ゲーム誌のレビューやPC版の個人レビューサイトを見て高評価だったのに加えて体験版をDLしてみて考えた上で購入してみましが、
評判に偽り無しと言えるくらい胸いっぱいでひたすら感動しましたし満足できました。
でも話の進行上おめでたく迎えたい時期にやる作風じゃないなとは思いましたのでw、
年末年始を避けてレビュー書いてる今くらいからプレイするのが実は旬なのかなって感じです。
ぶっちゃけプレイする上で個人個々の適性能力はかなり問われるソフトだと思います。
身をかき毟られるような想いや心が重苦しくなる雰囲気に陥った事も何度も遭遇して、
あまり根を詰めすぎないようにと他のソフトで軽くガス抜きしながらなんて事もありました。
でもクリア後も不思議とまたそんな感覚をまた味わいたくなるそんな魅力に溢れた一本でした。
プレイ時間67:55:52(プラチナ取得・セーブデータより)
SONY BRAVIA KDL-55HX850使用
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 3pt | 5pt | 5pt | 5pt | 4pt | 1pt |
91pt
GOOD!
□基本的に主人公+Wヒロインを軸に織りなすストーリーによって世界が展開されていく感じで一見よくありそうなAVGなのですがその脇を固めるキャラクターまで質量共に圧倒する掘り下げぶりが用意されてる点はとにかく凄いの一言でした、またキャラ間との掛け合いの凝り方も秀逸でより世界観の構築に一役買っている事もありプレイヤー側で考えさせられる含みをあえて残したような手法を取ってるフシがある事もなかなか面白い試みだなと思いました、この手のジャンルでシナリオや設定が作品に占めるウエイトは大きいと思うのですがドッシリと骨太な作りになっているので最後まで世界観に入り込む事が出来ました、大雑把な書き方ですが以上の点を主な理由としてオリジナリティと熱中度の採点材料としてそれぞれ数字として出してみました。
□楽曲自体のクオリティもさることながらカットへの歌やBGMの入り方の演出技法の秀逸さに加えて声優陣(特にWヒロイン)の熱演もまた素晴らしかったです、音楽もゲーム進行上においてあらゆる面で多大な影響力があるので出来はかなり重要になる部分ではありますが回想シーンによるエコーの使い方などいろんな技巧を駆使して演出した点も含めて文句なしの5評価にしました。
□システム面についても必要最小限でスッキリとまとめられており基本読む作業が中心になっている作品によくマッチしているかなと思います、フォントも大きめで見やすいですし気になる部分やもう一工夫あればと思うところもありますが概ね良かったかなと見ています。
BAD/REQUEST
■モーションポートレートを使って大きなキャラを使って動かしているので処理能力上において致し方無い部分も考慮しなければいけないのでしょうがスキップが遅いかなと感じました、プラチナ及び各攻略キャラのコンプリートを目指す際に周回が必須になってくるので台詞を飛ばして早く進めたいという場合にはマイナス点になるかなと思いました。
■基本読み進めて行くオーソドックスなAVGなのでコントローラーを持たずプレイする事も多く出てくる状況も想定されますが置いたところに一番近いボタンのL2R2にオートセーブを割り振っているので反応が良すぎるL2R2に引っ掛かってオートセーブ画面が出てきてしまうのは個人的には残念な点でした、簡素化されたコンフィグ及びシステム関連に関しては良いと思うのですがここだけでも個人的にカスタムでいじりたかったなと感じました。
■作画が不自然というか安定性に欠けるところがある面もありますしモーションポートレートの出来が良いキャラとイマイチなキャラの差が結構あるのがいささか残念でした、動きが小さすぎて分かりにくかったりとそういう面もありましたのでグラフィック評価に反映しました。
COMMENT
とにかくあまりに壮大かつ壮絶で内容もありすぎて書きたい事はそれこそ山ほどあるのですが作品の性質上を考えるとあまり具体的に書いてしまうと長くなりすぎて到底書ききれませんしどうしてもネタバレが絡む所まで突っ込んでしまいますので当レビューではゲーム性の感想に極力絞るような形で記載させていただきますが個人的には今まで遊んだこの手のジャンルの中でも三指に間違いなく入るであろうというくらい素晴らしいクオリティと思いましたし総合採点でつけた採点以上の感覚とインパクトを心身に残してくれた作品であると確信しております。
ですが恋愛というただでさえデリケートな題材を取り扱っているとこに恋愛による副産物である苦痛な面や葛藤を心理描写等にいろんな方面から絡めて心へガンガン締めつけ斬りつけてくるスタイルを採用しているのでプレイヤー的に精神面の耐性と性能がまず要求される事が予想されますので非常に高い採点をしておきながら矛盾する所もあるのかもしれませんが筆者的に万人にお薦め出来る作品かというと懐疑的に感じて心境的には正直なところかなり複雑です(苦笑)。
最後に一言、この作品に出会えた事は筆者にとって大変幸運でした。
Amazonレビュー
レビュー日: 2015-01-22
以下、ネタバレはあります。
こういったゲームに珍しく主人公に音声があります。だから本当に会話を交わしているような演出になります。
物語の構成上、主人公は「北原春希」となっていますが、実際の主人公は「小木曽雪菜」です。
なぜなら、物語開始以前から春希とヒロインの一人、パッケージの中央にいる「冬馬かずさ」は両想いにあり、
そこに雪菜が介入して来なければこの物語自体が成り立ちません。
逆に言えば雪菜の介入なければ「春希⇔かずさ」で時間は掛かってもまとまった話かと思います。
両想いでありながら告白して付き合うまで至っていなかった二人の間に「仲間はずれにされることを恐れる」小木曽雪菜が介入。
なんとかずさよりも先に春希に告白して「彼女」となってしまいました。
普通ならそこからは「春希⇔雪菜」の物語になるはずですが、雪菜はかずさが離れていくことを嫌い、三人が今まで通り一緒にいることを望みました。
けれどそんな状態はかずさには辛すぎる。高校卒業と同時にドイツに留学しピアニストとして修行を積むことに。
本当は両想いだったのに別れることを強いられた春希は絶望します。かくてその後に至る苦しみの幕が上がる。
第2部では大学生になった春希と雪菜が描かれる。春希は彼女であるはずの雪菜を避けるようになり、雪菜は自分が犯した罪に苛まれるようになる。高校時代のアイドル的な明るさは影を潜め、自分自身の罪に押しつぶされそうになる雪菜が痛々しい。
自業自得である面も大きいのですが、好きな人がいたのに雪菜の告白を受け入れた春希にも罪はあり、またそんな状況に耐えられず日本を逃げ出したかずさもまた然り。
「雪菜6、春希3、かずさ1」
くらいで罪を背負うことになる。
雪菜は心身共に疲弊しており、高校時代は周囲にうまく隠せていた「寂しがりで泣き虫な本性」が隠せなくなっている。
感情の起伏が激しくなり、家族には春希との関係を取り繕おうとするため矛盾が生じて、そのことを指摘されたら感情が爆発してしまう。
そんな雪菜と春希の関係修復が大学時代になります。
雪菜は春希と関係を修復してようやく高校時代の明るさを取り戻します。
そして最終章は大学を卒業して社会人となった春希と雪菜が描かれます。
辛い経験を乗り越えて婚約寸前の二人の前に「かずさの帰国」という事件が持ち上がり、
5年前に決着が付いていなかった三角関係の精算を迫られるのが「最終章」です。
ここにきてようやく「かずさ」「雪菜」の二大ヒロインが一騎打ちの激突になります。
雪菜もかずさも「お互いをどれだけ羨み、嫉妬してきたか」を告白し、ビンタを応酬しての取っ組み合いにまで発展。
雪菜は「春希が決して自分をかずさより上位には置いてくれない」ことを思い知らされており、それを承知の上で春希と添い遂げる道を選ぶ。そもそも両想いであることを知っていて割り込んだのは雪菜だった。結果的には「略奪愛」であったのだ。
そのため雪菜は終生「その罰」を受けねばならなくなる。
自分が本当に愛している男性は世界中で春希ひとりであるのに、相手の春希は決してかずさを忘れない。
春希と結ばれた雪菜は子供を儲け、自身の育った家庭に負けない温かい家庭を築いただろう。
最終章では雪菜を捨ててかずさを選ぶことも出来る。
だが、それは春希がそれまで築いた世界を全て捨てる選択であり「有り得ないファンタジー」である。
確かに春希はかずさを好きで、かずさも春希が好きだった。
けれど二人が結ばれるタイミングはもう過去のもので、二度と訪れないものになってしまっていた。
雪菜とて決して楽に幸せを得たわけではなかった。自業自得とはいえ苦しみ、春希が自分を1番に置いてくれないことさえ自身に納得させた。積極的に動いて関係を良い方向に持っていこうとした雪菜と、外界との接触を拒み終始受身であったかずさ。
最後に軍配は雪菜に上がったのだ。
GOOD!
■グラフィックス
ヒロイン達の魅力を充分に伝えきれているかといえば少々疑問を感じるCGもあったりしますが、個人的にはすんなりと受け入れられる絵柄で良かったと思います。
■サウンド
気分を大いに盛り上げてくれる数々のBGMと、曲や歌詞の選択、流れてくるタイミングなどが秀逸。
切ない場面に切ない旋律と切ない歌詞のトリプルパンチをくらったら、泣かずにはいられません。
声優さんたちの演技が素晴らしいです。
特にWヒロインのお二人の声には、何度ほだされて何度もらい泣きしたことか。
あと、今作は主人公にも音声が付いています。“真面目でお節介な普通の男の子”が伝わってくるこの声のおかげで、主人公に対する好感度を保つ事が出来たかと。
■熱中度
「仕事も家事も全て放り出して、このゲームに浸りきってノンストップでプレイしたい!」と思わせられるほど熱中しました。
ボリュームも充分。一通りプレイするだけでも60時間ほどかかります。
その他にも、ヒロイン目線のデジタルノベルや、某ENDの後日談、声優さんからのボイスメッセージなども用意されており、かなり豪華な内容になっています。
■満足感
<ストーリー>
プレイヤーをゲームの中にどんどんと引き込んでいく読み応え充分なシナリオと、胸をえぐられるような切ない展開が見事です。特に、ClosingからCodaへの流れは非常に極悪で(褒めてます)、しばらく呆然としてしまう程でした。
とは言え、通常のギャルゲーのような「何か変なフェロモンでも出してるのか」と言いたくなるようなモテッぷりや、「どのキャラから攻略しようかな〜」という浮かれた気分も味わえますし、クスリと笑えるシーンも存在していますので、ご安心を。
<システム>
テキストを読み進め、どの選択肢を選んだかによってルートが決まるテキストADVのゲームです。
前作のような毎日毎日主人公の行動を指定する作業感がなくなり、ストーリーに集中出来るようになりました。
まあその代わりに、主人公の行動に介入出来ず見守るしか出来ないというもどかしい思いをする場面も増えましたが。
■快適さ
オートモード、スキップモード、キャラクターボイスの個別ON/OFF等々、一通りの機能は揃っており、不便さを感じる事はほとんどありません。
「次の選択肢へ」のスキップも未読部分があれば止まってくれますし、セーブ画面も前作のような縦一直線ではなくなり管理しやすくなりました。
CGモード、ミュージックモード、シーン回想モード、ムービーリプレイも完備。
バージョン違いの曲も全て収録されているのは、嬉しい限りです。
BAD/REQUEST
あえて言えば、程度ですが。
×L2のクイックセーブやR2のクイックロードの感度が良すぎて、誤爆する頻度が高い。
×選択肢の存在しないintroductory chapterは、2周目プレイが少々面倒。
×「勝手なあたし」→「勝手あたし」など、誤字脱字が少々。
COMMENT
前作プレイ済み。
PC版は未プレイ。
トロコンまでのプレイ時間は約70時間でした。
プレイ中は寝不足と涙で目が痛かったですし、ものすごく心を揺さぶられて疲れました。
「春希(主人公)よ、さすがにそれはないわ」と突っ込みたくなる場面もありましたし、少々釈然としない場面もありました。
が、それらの諸々も全て含めて、すごく楽しかったです(楽しい、と言うとニュアンスがおかしいかもしれませんが)。
「このゲームに出会えて良かった」と思ったのも、他の積みゲーが待っているのに「まだ終わりたくない、ずっとプレイしていたい」と感じたのも、本当に久しぶりです。
気になった方は、体験版をプレイしてみて下さい。そして体験版を面白いと感じたなら、ぜひ本編もプレイしてみて下さい。
オススメです。
※“2”となっていますが、前作未プレイでも全く問題ありません。
前作でも流れていた曲を懐かしく感じる程度の繋がりしかありませんので。