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【PS3】テイルズ オブ ゼスティリア

発売元 バンダイナムコゲームスオフィシャルサイト
発売日 2015-01-22
価格 8716円(税込)
レーティング 【B】12才以上対象 セクシャル 暴力 言葉・その他 (CERO について)
ショップ/リンク Amazon
タギングトップ3
タイトル概要 ■ ジャンル:情熱が世界を照らすRPG
■ プレイ人数:1人(戦闘時のみ最大4人)



オリジナリティー グラフィックス サウンド 熱中度 満足感 快適さ (難易度)
2pt 3pt 4pt 0pt 0pt 0pt 2pt
総合点
16pt

GOOD!

シリーズは据え置き機発売はプレイ済
毎回、戦闘システムを楽しみにしているシリーズファンです。
隠しボス撃破後、ある程度のやりこみ済みでのレビューです

【音楽】

主題歌こそ好き嫌いが分かれるものの、試練で訪れる遺跡等のBGMは特にお勧めです。
もちろんフィールドや地域や街のBGMも悪くはないのですが、消化不良というか、諸手を挙げて良いとは言えない点がありますが、この辺りはBADにて触れます。

【グラフィック】

テクスチャの使い回しが目立ち、広大なMAPではあるのですが、『そこそこ綺麗だけれど、似たような景色が広がっているだけ』という感じで、散策しようという気は起きません。ですが、そもそもモデリング等には力を入れていないシリーズですし、ユーザーもそのあたりを期待しているわけではないので、可もなく不可もなくといったところです。
アニメーションも、テイルズシリーズの目玉ではありますが、これも可もなく不可もなく。
そもそもシナリオに致命的な欠陥があるために、アニメーションにしたところで何の感情も沸いてこないといったところでしょうか。


「可もなく不可もなくという評価」をGOODにあげなければならないほど、今回は褒めるところがありません。

BAD/REQUEST

【シナリオ】

王道RPGと謳ってはいるものの、明らかに大幅なシナリオ変更があったと思わせるストーリー展開と演出。風呂敷を広げた後にやっぱり別な風呂敷被せてみましたって程のひどい有様です。シリーズ過去最悪と言ってもいい出来。

ネタバレを含んでしまう為、詳細に語れないのが口惜しいですが、導入から序盤こそ王道な展開で盛り上がりこそすれ、中盤でユーザーを陥れる不穏な気配。そこから嘘のように崩れていくストーリーの根幹。
壮大なスケールで繰り広げられていたはずが、いつのまにか「あれ?なんかスケールが小さくなってない?」と気付いた矢先、ユーザーを極めて悪い意味で裏切る超展開。
キャラクターの相関関係も、いわゆる6次の隔たりを表現したかったのでしょうが、無理矢理繋げたせいで、至る所に酷い綻びが見えてしまっていて、逆にそれがスケールを小さくしてしまっている要因となっているお粗末な出来。

ただ、無理矢理好意的にフォローするならば、テイルズオブエクシリア(以下、TOX)やTOX2では、何でもかんでも詰め込み過ぎだったシナリオを、“異人種間の共存と共栄”というシンプル且つ明確な目的にしたところは、評価できますし、そこから構想自体は進んでいたのかなと思います。
ですが、キャラデザインの都合上「このキャラはこうした方がいい」という案を後から詰め込んでしまい、それに合わせてサブストーリーを構築。その後、キャラの相関図を作り上げて、最終的に辻褄合わせにメインシナリオを捻じ曲げたという感じが、終盤のなりふり構わず慌てて纏めてきた展開や「仲間の殺人は黙認するけれど、名前も知らない孤児の窃盗は見逃さない」というダブルスタンダード等からひしひしと感じました。

また、せっかくの異人種間の共存共栄がテーマにも関わらず、あまり異種な雰囲気が漂ってこないのも問題です。人間と天族(天使や妖精、精霊といった扱い)も見た目は一緒、限られた人にしか見えないという扱いの天族もプレイヤーからは見えていて、人間世界も同人種が二つの国に分かれているだけといった様子。
街も北国や南国などの地域分けがあるわけでもないし街並みも一緒。来ている服もほぼ変わりがないので、スケールの小ささを助長している一つの要因であるため、そもそもの世界観が小さい。
街ごとにBGMの曲調を変えるなどの工夫しようにも、特徴がないから際立たない。
この辺りは世界観の設定にも問題があったといわざるを得ません。

天族は明らかに人間とは容姿が異なるものであったり、人種の違いを明確に肌の色を変えるとか、いっそのこと別な種族を増やすとか文化の違いを明確にするとか街の様相を極端に変えるとか、そういった工夫が必要だったのではないかと思います。
であれば、広大なMAPもより世界観を際立てることになっただろうし、まるで「国の内乱に介入した特殊能力者」みたいなスケールの小ささもここまでひどくなかったかと思います。


【装備強化・スキル周り】

一言でいうならば蛇足。
まず装備強化関連の問題点として
○複雑すぎる
○武器・防具の数が多すぎる
○金策がほぼ戦闘のみで、強化費用がかさむ為、取得金額ブーストのある周回前提となる
○能力は付属スキルに依存しているうえに、スキルシートとも複雑に絡み合うため、一見して比較しにくい
○にも関わらず、何故か融合(特に意図したスキルを消滅させたり付加する方法等)に関しての詳細な説明がゲーム内にはない
○これだけ複雑だが、『レベルを上げて神威で殴れ』といった感じでどうにでもなる
○それでもだめなら難易度下げればどうにでもなる
という、悲惨なことになっています。

更に、付加スキルの組み合わせによるボーナススキルや同スキルの重複付加によるスキルの上昇などまで存在し、このシステムを作った本人でさえ説明するのに1時間はかかるのではないかと思うほどです。
ただシステム的には悪くないし、寧ろ良く考えられていて、やりこみ要素ではあり評価すべき点なのですが、このシステムは某狩ゲーやライトユーザー殺しの某死にゲー、海外産のオープンワールドRPGなどでやるべきで、このシリーズに導入すべきではなかったと思います。

【戦闘システム】

○コンボが楽しかったシステムに縛りを入れてしまった
○“神依化”と呼ばれる合体システムによって、PTメンバーが二人は固定となってしまっている
もはやこの2点が致命的で他の問題点が霞みます。

【その他】

○ DLCはコスプレに300円というシリーズ恒例のぼったくりも健在。
○ カメラワークは、なんちゃってシームレスの影響を受けて障害物や狭いダンジョン内でのエンカウントは避けるようになります
○ もちろんキャラの掛け合いも相変わらずです。

COMMENT

【総 評】

結論から言うと、キャラゲーとしてもRPGとしても“下の中“といったところです。

各所でキャラの扱いについて論争が始まっていますが、そんなことは二の次にして酷い出来。

テイルズにシナリオを求めるのは間違っているというそもそも論は置いておいて。

私は基本的にどんなに青臭い信念やある程度のご都合主義、ぶっ飛んだ”とんでも設定”も、ファンタジーなら許されると思っていますしそういうものがテイルズの特徴であると思っています。(こちらのTOXのレビューでも同じことを言った気がしますが…)

ですが、それは最低限その世界の中で成り立っていることが前提であって、今作は過去作の中でも一番といっていい程、成立していない事柄が多い作品でした。

まだ攻略サイトなどの情報が進んでいない為、2周目や分岐ルート、隠しダンジョンやサブクエストがあるんじゃないかと期待していましたが、おそらく分岐と言える分岐はありませんし、評価を覆す程のものは見つけられませんでした。

なんというか、結局スケールもボリュームも小さく感じるというか、実際に小さかったのだという結論に至る始末。


当然次回作があるでしょうけど、まずは“伝承”の意味を調べてから次回作に臨んでもらいたいと思います。
テイルズは、比較的値崩れしないシリーズですが、グレードショップの仕様が今までと違うため、何度も周回するような物でも出来でもないので、今回は中古市場に流れるのが早いかもしれません。

トロフィー獲得には興味のないシリーズファンの方は低難易度でさっくりクリア、即周回することをお勧めします。
シリーズ未プレイで今作から手を出そうかなとお考えの方は、他のシリーズ作品からプレイすることを強くお勧めします。

プレイ時間:30時間以上60時間未満(クリア済)
めろりんQさん  [2015-01-29 掲載]

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総合ポイント
39
(難易度)
2.32
レビュー数
44
スコアチャート テイルズ オブ ゼスティリアレビューチャート

2.3%
0-9
20.5%
10-19
13.6%
20-29
15.9%
30-39
6.8%
40-49
13.6%
50-59
15.9%
60-69
0%
70-79
9.1%
80-89
2.3%
90-100
【60点以上】
27.3%
【標準偏差】
23.64