【PS2】12RIVEN the Ψcliminal of integral
発売元 | キッド (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2008-03-13 |
価格 | 7140円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:ノベルタイプアドベンチャー 「Memories Off」「Ever17」を手がけた打越鋼太郎氏が、原案・脚本・脚本監修を担当するアドベンチャーゲーム。「Ever17」で世界各国で評判を得る原動力となった「プレイヤーが登場人物として物語世界に介入する」という仕掛け、メタフィクションを駆使した革新的なゲームだ。 |
- 総合ポイント
- 68
- (難易度)
- 2.32
- レビュー数
- 19
スコアチャート
GOOD!
まず、システム。やはりKIDシステムを踏襲しているため使い勝手はいいと言える。ほぼ完璧だ。が、Remember11のときと比べると多少劣化してるようにも思われるがそれでも十分だ。
次に音楽。総合的に見れば音楽はほぼ文句は無い。耳に強烈に残るようなものは無いもののその場の雰囲気を十分に盛り上げてくれる。ただ、OPやEDは演出、ムービーが質のよくないものなのでそれが印象に足を引っ張っているかもしれない。
熱中度。Remember11ほどの緊迫感や中毒性は感じられないかもしれないが、やはりやめられない。それはやはりテンポがいいためだろう。そこまで長くないゲームだが、途中で途切れさせることが困難になるだろう。用語の説明、世界観の説明等長い語りもあるが、不思議とテンポはいい。先の気になる構成で中だるみは無いといえる。
最後にストーリー。これは打越氏がシナリオ原案をやっている以上かならず語らなければならないだろう。ジグソーパズルをバラバラにプレイヤーに提示し、開放された最終ルートで多少強引なところはあれども見事に一枚の絵に組み上げる緻密さ、構成力はやはり脱帽に値するだろう。鳴海ルート、錬丸ルートでちりばめられた謎、伏線が最後に一気に収束していく様は感心する。しかし、このゲームは感心はすれど感動はしない類のものではないだろうか。クリア後の爽快感のようなものは味わえないといえる。とはいえ、しっかりと完結はしている(続編を匂わせる終わりではあるが、このゲームの事件としては終焉している)ので達成感のようなものはあるだろう。
BAD/REQUEST
なんといってもCGだ。立ち絵はいい。女性キャラは可愛らしく、男性キャラはカッコよく描かれていて、気に入った。だが、一枚絵はことごとくクオリティが低い。特にキャラクターの表情に違和感がかなりあったり、構図そのものがおかしいこともある。体験版のときから指摘されていたが、全てを直すことはできなかったようだ。テレカ絵やパッケージ絵、ブックレットのキャラクターデザインの2人が描いたものはハイクオリティなのに……
あとはOP等の演出。InfinityシリーズのOPは代々ワクワク感を募らせるもので、起動するたび鑑賞してしまうクオリティであった。しかし今作ではそれがない。なんというか、やっつけのような気がしてならないのだ。演出面でもそれが顕著で、それがこの作品の評価を一つ落としてしまっていると言ってもいいだろう。
そしてキャラの掘り下げ。シナリオ自体はいいのだが、各キャラがどこか薄いような気がした。掘り下げが十分ではなかったためか……そのせいであまり感動というものは無かったような気もする。
COMMENT
ストーリーについては特に言うべきものはない。多少強引さはあるもののあそこまで大きく広げた風呂敷が畳まれていくのだから凄いと思う。
情報量の多さに圧倒されるかもしれないが、自分なりに図に書いたりして考えるといいだろう。緻密に張り巡らされた伏線やそれらの回収のための構成、そして終盤に明かされていくトリックは、やはりInfinityシリーズで慣れているとはいえ感心させられてならない。素直に、すごいシナリオではある。
が、やはりCGがかなり酷かったのと、演出面、キャラの掘り下げ等「悪い所」で書いたところが相当に目立ったのも事実だ。これらは今後(シリーズが続くのであれば)改善してもらいたいと思う。
Ever17のような驚愕の展開、感動。そしてRemember11のような緊迫感は無い。だが、この二作を超えると思われる緻密な構成を味わうことが出来るだろう。
また、このゲームは珍しく男性キャラが魅力的であるのも特徴的であろうか。打越氏の書く主人公は代々カッコいいものではあるが。