【PS2】スーパーロボット大戦Z レビュー
発売元 | バンダイナムコゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2008-09-25 |
価格 | 8379円(税込) |
レーティング | 【B】12才以上対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:シミュレーションRPG ■ プレイ人数:1人 |
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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3pt | 4pt | 4pt | 4pt | 3pt | 4pt | 3pt |
72pt
GOOD!
リアル系、スーパー系共にクリア済みです。
スーパーロボット大戦シリーズのファンとして、今回一番嬉しかったのは参戦作品のラインナップですね。据え置き機での参戦を待ち望んでいたキングゲイナーやビッグオー、ゲームをプレイして初めて知り、そしてファンになってしまったオーガスやエウレカなど、独特な世界観を持つ作品ばかりですが、よくぞ登場させてくれたという作品ばかり。評価も高く、個人的にも名作だと思うα外伝の雰囲気を残しつつ、新規作品も多い今作は、スパロボシリーズを追いかけ続けている私にも非常に斬新で意欲的な作品という感じがしました。
賛否の多い小隊システムにも改善の成果が見られ、細かいシステム周りの充実と同時にコスト性の廃止による自由度の向上が実現。もともと小隊を組むのに時間のかかる自分にはさらに悩む楽しみが増えました。まぁこれはデメリットだと感じる人も要るでしょうが。
また小隊制にフォーメーションの概念が導入されたことによって戦略的な要素も少し加わり、それもあってかゲーム全体の難易度は近年の作品の中では結構難しいものになっているような気がします。簡単でサクサク進むのも悪くないですが、最近はそれにも飽きてきていたのでこのぐらいのゲームバランスで個人的には満足でした。難易度はハード、ノーマル、イージーと自分の好みで調整できるので一週目はノーマル、二週目はハードでクリアしました。
サウンドについては、正直ゲームの音楽ならこんなもんじゃないかなぁっていう印象で、悪いとは思いませんね。音質に無知な私の耳が古いのかもしれませんが、ゲーム音楽に不満を持ったことがほとんどない人間なので、むしろ今作のBGMには個人的にはじめて聞いて気に入った曲とかも結構あって、曲自体は良い曲が多かったという風に思います。いつもはゲーム音楽に興味すら持たないことが多いので。
BAD/REQUEST
続編の発売は未定ということですが、プレイしてみると明らかに次回作への伏線と取れるもの、あるいはスーパーロボット大戦OGシリーズへの参戦をにおわせているというものがチラチラと目につきます。次回作が出るということについては特に不満はない(むしろ出さないと中途半端)のですが、どうも次回作にネタを残しておくために今作ではあえて旧式の機体で戦わされているような気がしてしまうことがあり、個人的にはあんまりうれしくありませんでした。特にUC系のガンダム勢やマジンガー、ゲッターなどの常連組み。せっかくバザーや、今回はありませんけどマウンテンサイクルのような便利設定があるんだから、機体だけでももうちょっと色々出してほしかった。ついでに言えば二週目以降のバザーでは、ストーリー的にはありえないような機体も売ってほしかった(メガデウスとか)。
ストーリーについて。
今回は男女(リアル、スーパー)の2人の主人公毎にストーリーの印象が結構変わるのですが、男(スーパー)主人公のルートはいつもの勇気と根性におっさん臭さも加わってなかなか楽しいです。主人公に絡んでくるキャラも気の良い連中が多く、版権キャラのゲインやホランドあたりとの年長者の会話が妙にしっくりきてて良い感じです(これは良い所に書くべきか)。ただ女(リアル)主人公のルートは個人的にスパロボ史上最悪のストーリーかもしれません。キャラが悪いわけではないのですが、とにかくあんな酷いストーリーはよほどのドSだかドMだかでなければ楽しめないのではないでしょうか。自分は一週目に女主人公でプレイしたので、それだけ発売前は楽しみだったのですが、リアル系のオリジナル関連については良いところをほとんど見出せません。内容については伏せますが、製作者に話を聞けるなら何を思ってあんなストーリーにしたのか聞いてみたいです。
オリジナルも全てが悪いということではなく、前述のように男主人公はストーリーも楽しめましたし、敵キャラ、組織も色々とはじけた連中が多くて、ラスボスも含め割と好きなんですが、コネで無理やりねじ込んだ様なキャラが若干名おりまして、あいつらは単にプレイヤーを不快にしただけで結局何がしたかったのか…。女の方は逆恨みもいいとこだし。前述の次回作関連、OG関連なのかもしれませんが、その辺がなければ(あるいはもっと巧くストーリーに絡めば)今作のストーリーももっと良くなったんじゃないかと思います。
また、これも次回作を見越してなのかどうか分かりませんが、主人公機があんまり強くないのがガッカリでした。主人公が前に出すぎるのは良くないという方もいると思いますが、私は主人公は率先して使うタイプの人間なので、今作の主人公機は色々と残念というか物足りない感じでした。個人的にはDSのスパロボWぐらい乗り換えやら合体やらがあって、なおかつ強いと嬉しいんですがね。
システム面について。
やはりというか、今作も良くも悪くも小隊制につきると思います。良い所で記したように改善点も多く見られますが、しかし、やはりまだまだ完成というには程遠いシステムだなぁという印象。小隊制が好きな私ですら思うのですから、嫌いな人はとことんダメでしょう。
フォーメーションは戦略的な奥行きは与えてくれたかもしれませんが、今まで直感的にプレーしてきた自分のようなプレイヤーにな慣れるのに時間がかかるシステムでした。またフォーメーションによりALL兵器の重要性はやや薄れたとはいえ、やはりどんな状況でも敵全体にダメージを与えられるALL兵器を持ったユニットは小隊制においては万能です。また敵の数が多く、小隊員のサポートを受けられる小隊制におけるMAP兵器の強さは相変わらず反則的で、MAP兵器による撃墜のデメリット(資金、PPの減少や気力が上がらない等)がほとんどない今作ではMAP兵器の使い方一つで難易度が激変します。ALL兵器やMAP兵器の有無でユニットの評価が大きく左右されるという点についてはまだまだ改善の余地があるだろうという気がします。
グラフィックについて。
戦闘シーンなどは相変わらず綺麗です。ただ、悪いところというほどではないのですが、今作に関してはメリハリがないのが気になりました。無駄に長いと戦闘シーンを見る気がなくなるので、もっとシンプルでも良いのでセリフなどのバリエーションを増やしてほしいかな。あと早送り中の戦闘ではセリフが重ならないように設定できるとなお良いですね。いつもは映像のド迫力にただ感心するばかりなので、今回はそれに比べると評価を下げました。戦闘に関しては細かな演出(陸と空で動作が異なるとか)が増えていて、製作者の気合が感じられますし、総じて高いレベルにはあると思いますが。
その他。
良い所でも書きましたが、難易度は私には丁度良い感じでした。ただ難易度ハードでプレイするメリットがほとんどないのはプレイヤーのやる気を著しく萎えさせます。EXハードに関しては惰性でとりあえず付けましたと言わんばかりの投げやりな感じすらします。難易度を上げるにしても、敵の思考を良くするとか隠しボスを出すとかにして、改造や養成を縛らない方向でお願いしたい。それもスパロボの楽しみの重要な要素なので。また、よく言われるように最初から難易度設定できるようにするとか、主人公毎に変えるとか、もうちょっとプレイヤーのチャレンジ精神をくすぐる工夫がほしいですね。
あとOGでせっかく導入したフリーバトルは残しても良かったのでは?まぁあったらあったで「それを入れるくらいなら他に力入れろ」とか言われるんでしょうが。
COMMENT
一週目のリアル系主人公ではストーリーの酷さに驚きましたが、二週目にプレイしたスーパー系主人公のストーリーは個人的に良い出来だったので、総合すれば及第点という感じの印象です。色々ある不満点も原作作品の良さでなんとか相殺されました。Zがシリーズ化するのであれば、ストーリー消化済みの作品も出来る限り留任させてほしいですね。まぁなんだかんだ言って次回作が楽しみです。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
2pt | 4pt | 3pt | 4pt | 4pt | 4pt | 1pt |
74pt
GOOD!
・精神コマンド数減少
もっと減らしてもいいくらいですが、この取り組みは良いと思います。
・戦闘アニメ
普段ははあまりみないが、動きなど大幅にパワーアップしていた。
・小隊システム改良
3機編成やフォーメーションなど、個人的には面白い試みでした。
・ロードは速い
BAD/REQUEST
・勢力が多すぎてゴチャゴチャしすぎ
今作の世界設定上、ほとんどの作品の勢力が現れるので数が半端ないです。
それゆえ、ストーリーも何が何だがわからぬまま展開
もう少し絞った方が良かったと思います。
・オリジナル部分がいまいち
原作を知らない作品も多数あったのである程度は楽しめましたが
肝心のオリジナルのストーリーが足を引っ張った印象です。
展開も分かりやす過ぎました。
・主人公によってルートがある程度固定されるので
参戦作品の登場頻度がかなり偏り、2周目を前提にしているのかは知りませんが
もう少し選択ができたらよかったと思います。
逆にいえば2周目でもルートが違うからかなり違った展開にはなるんですが。。
COMMENT
全体としては十分なデキだったと思います。
中盤までは今までのスパロボのなかで一番面白かったかもしれません。
それだけに終盤というか纏め方が残念なんですが。
次回作への伏線か?とか思える部分が多く
今作で纏め上げようとする意図は見受けられませんでした。
難易度は比較的やさしめくらいに感じました。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 5pt | 3pt | 4pt | 4pt | 4pt | 1pt |
80pt
GOOD!
スパロボがPS2が出たところ。
新規参戦作品が多め。(多すぎな気もするけど)
■システム面
ロードがとにかく速い。
クイックコンティニューに至っては、ゲーム史上最速と言ってもいい。
第三次に比べれば、小隊おまかせ編成の精度?が高くなってる。
メッセージスキップにオートモードがついた。
スピード調整もやりやすく、これはありがたい。
■戦闘
カットインがとにかく派手。
これ以上派手にするには、アニメそのまんま、とかにしないと無理なのでは。
しかしそうなるとゲームのスパロボの意味が無くなる気がするし、進化しようあるんですかね。
改善の余地は多々あれど、フォーメーションやら小隊制やらのシステムは好きです。
■シナリオ
壮大過ぎるので、SFファンタジー?好きにはたまらない。
恋愛少年団とか見事にクロスさせてて笑えた。
ネタバレ気味になるが、ついにスパロボで仲間割れもどきやってくれ、
会話が豊富だったのは楽しかった。
あんな訳の分らない(褒め言葉です)話の作品達を
曲がりなりにも(褒め言葉です)纏め上げるのは大変な苦労だと思う。
個人的にはいいシナリオだったと思います。
■熱中度
なんだかんだでスパロボ好きなら熱中出来る。
BAD/REQUEST
■システム
普段の会話メッセージはそれほど問題ないのだが
文字がえらい見難い場面がある。
小隊の名前をつける場面なんかは、真っ黒でさっぱり見えない。
文字の見にくさががなければ、快適度満点にしたんだけど。
■音楽
相変わらず、熱いのやら綺麗なのやら名曲揃いなのだが
これまた相変わらず音源が・・・、MXは綺麗だったんだけど残念。
十分許容範囲ではあると思いますが、やっぱり名曲はいい音で聴きたい。
■戦闘
フォーメーションの特徴をもう少し顕著にしてもいいと思う。
また、アムロ辺りがかなり弱体化されてることが気になった。
Zのアムロということと、ニュータイプ補正を見越してのことでもあるんだろうが、
今回は超能力やリフテクニック・オーバーセンス等
ニュータイプと似たような、もしくはそれ以上の技能を持つキャラが多数いるため、
あそこまで能力値下げることなかったんでは。(それでも強いけど)
いつもどこでもどのスパロボでもアムロ最強じゃなきゃ嫌だ!ってことじゃないが
コレンとかとさほど能力変わらんエースは嫌だ(笑)
ついでに、いくら敵キャラを強くしたいからって
自軍のエースの誰よりも命中高い、風○博士とかは引く。
まだ機体をベラボウに強くしてくれた方がいい。
■シナリオ
今回はいくつかの参戦作品の世界観がすごすぎるため、原作知らないと何がなんだか分らないかも。
私は終盤ちょいちょい意味がわからなかったが、
なんだか壮大な話だなーと捉えるだけでも、感動、燃えることはできます。
また、やはり世界観がすごすぎるため、
オリジナルキャラーズの話がちょいしょぼいかも。
彼らがシロ○コやデュ○イの上ってのはちょっとね・・・
主人公二人は絡ませるなら、もう少し絡ませてもよかったのでは。
■その他
参戦作品もう1,2無くしてもよかったんじゃないかな。
シナリオ的に詰め込み過ぎとかになるのもそうだし、値段が8000越えはさすがに気になります。
バグ。詳細はみなさん書かれてるので割愛。
まぁゲームが進まなくなる訳でもないので、私はそこまで気にしませんでした。
COMMENT
ゲームバランスがどうだこうだの意見はいつも絶えないけど
スパロボという作品で、へたにバランスなんかとったら
逆に原作や作品ごとのバランスが滅茶苦茶になると思うので
そこまで「シミュレーションゲーム」として求めなくていいのでは〜と思いつつプレイ。
好きな作品がドカーンと勝つ、それがスパロボでいいのでは。
もちろん全員イデオンでは困りますが。
やっぱスパロボは据え置きがよいね。
GOOD!
・システム面のつくりがよい
ロードが早い、オート小隊が改善されてるなどなど全体通して非常に快適です。αシリーズからうまく進化した感じでスタッフの努力が感じられます。
・シナリオ
時空振動弾使用という設定で良くぞここまでまとめたものだと思います。もともと別々の世界であることを考えるとある程度の破綻はあって当然、総合的に見ればよくできていました。
ルートによって分かれた仲間と戦えるという要素が入ったのも非常によかった。理由付けはちょっと弱いですし、簡単に情報操作されるところもありえないとは思いますが、かなり興奮しました。
・戦闘
スパロボの要である戦闘ですが、これはさすがというべきでしょうか。よくできていました。αより難しくなり、面白みが増したと思います。個人的にはもう少し難しくてもいいかなと思いますが・・・。
グラフィックも作りこまれていますし、カットインもいい感じです。ヌルヌル動きます。
BAD/REQUEST
音声のバグや一部登場作品がほとんどシナリオに絡まないなど細かく見ればそれなりにあると思います。しかし、私が何よりも気になったのはオリジナル要素です。
正直いりません。悪役キャラが中二病全開で飛ばしてくれます。うまくいけばそのまま素敵世界にいざなってくれることでしょう。
冗談はさておきアサキム、本当にひどすぎます。台詞はほぼすべて中二病。出てくるたびに自分に酔っているようでこれまた中二(ry。敵部隊の面々は理念もなくただ悪役としているだけ。しかもこれまた中(ry。今回のオリジナルは最悪でした。半分くらい中二病が入っている私からしてもちょっと受け付けないレベルでした。
主人公も、もう少し工夫の仕方があったのではないかと思います。男主人公は出だしからただのチンピラとしか感じられず、プレイするのが苦痛で女主人公に変更するほどでした(これは私だけか?)。女主人公もなかなかよい設定なのにいまいち生かしきれていない。
オリジナル要素が入らず、権利作品のみで構成したほうがよかったのではないでしょうか?
COMMENT
オリジナルが最悪でも版権作品ががんばってくれているので総合してみるとよい作品であるように感じます。実際、「好きなロボを操作して敵を蹴散らすゲーム」が根底にある理念ですからその点から言えば出来がいいのでしょう。周回プレイで爽快感を得られるのもよいですし、結果長く遊べます。
しかし人を選ぶゲームであるのは間違いないと思います。「断罪」「贖罪」「復讐」このあたりの単語に奇異感を覚える方は避けたほうがいいでしょう。
毎度のことですが、購買層を小中学生に絞るようなキャラ付けはやめてもらいたいものです。