全体的に完成度が高く、非常に満足のいく作品でした。調合システムや戦闘システム、成長の仕方などは前作そのままという印象だったのでオリジナリティは3点とつけましたが、ガストのゲームにしか見られないという点から、「なんだ、またかよ」のという印象は受けません。 個人的にはアトリエシリーズの外伝という印象で遊んでいます。前作と同じくシナリオの視点がアトリエシリーズとは異なり、「学生」という立場を覗いており、学生生活がそのままストーリーの骨子になっているという点も他のゲームにはあまり見られず好みです。 何よりも特筆すべきは快適さだと思います。 まずゲームをプレイ中に腰を折られるロード時間がかなり短いです。これはマップ一つ一つが狭いことに起因するのかもしれませんが、操作キャラクターがスイスイ動ける、戦闘開始と終了後すぐに動ける、イベントが発生して勝手に動いているのがすぐにわかるというのは、昨今のロードが長く、多いゲームの中にあり快適にプレイできました。勿論ロードが長くても飽きないつくりになっているゲームもたくさんありますが、そういった重いストーリーで「タメ」が重要になってくるものよりも単発のギャグ、ほのぼのとした学園生活となっているので、ロード時間が短いのは非常にテンポよく話が進んだと思います。 また、戦闘も非常に快適でした。強力な全体魔法で一掃するのも可能でしたがそれだと雑魚戦は乱発できず、なれないうちは雑魚戦に多少苦労したものの、慣れていくうちに通常攻撃やスキルの効果的な使い方が判ってきて、サクサク敵を殺せますし、何より映像がド迫力、音楽も綺麗でした。個人的には行動順がタイムスフィアになったのは「いいな、コレ」と感じました。具体的に何がいい、ということはなかったのですが、カード方式だと何となく行動順が後ろに下がるのに違和感があったので。ああやってくるくる回転するものだと臨場感が増している気がします。見にくい、という意見があるようですが、特徴を覚えておけば不快に感じることもないですし。 快適さ、というと少し違うかもしれませんが、ダンジョンマップで「ちょっとまて」と思わせる宝箱がなかったのもよかったと思います。洞窟や城、ひどいものでは道端や家の中で宝箱を開けて、中から薬草や剣などが出てくるのは、経験則上ありえないと思っているので。その点このゲームは調合用の素材やせいぜい(おそらくは前もって先生が置いたか、不要になった先輩が不法投棄した)レシピ、アクセサリなので、いらっときた突っ込みをやらずにすみました。 ついで、キャラの個性です。私はアトリエシリーズから一貫して、ガストのゲームはキャラクターがとてもいい味を出している、と思っています。他の追随を許さないレベルに達していると言ってはばかりません。好き嫌いがあまりないので無個性の主人公も大好きではありますが、ロゼにせよウルリカにせよ特長的なキャラで、眉目秀麗なだけでなんのとりえもない主人公(勿論こういう主人公にも良い点はある。自分を投影できるとか)などとは比べ物にならないくらい感情移入できました。ユーザーに「このゲームの中で彼らのクラスメイトになりたい」と思わせた作品は少ないと思います。選択肢や行動を自分らしくするようなゲームは、「こういう自分になりたい」などの理想が混じるものですが、キャラの個性がしっかりしていると、「このキャラならこういう行動をとるだろう」という客観的な行動になると思います。これは後の展開が操作しやすいですし(一部例外、罠あり)、勿論「このキャラは普段からはこういう印象を受けるけれど、実はこういった行動も取れるんだ」という理想を入れることもできる、ある意味では無個性よりも自由度が高いといえます。 結論として、ちょっとしたところがいちいちツボに入ったという点を考慮に入れても、非常に満足度が高い作品でした。
GOOD!の項目で書いたことですが、特にストーリーに関しては、賛否が分かれるのが納得できてしまいます。明るすぎるんですね。個人的には学園生活だし、重苦しいストーリーにしてもなあ、と思うのですが、RPGですから。放置しておけば世界が滅ぶとか、あってもよかったかもしれません。まあグンナルを放置しておけば学園は崩壊する気もします。 個人的な不満点になりますと、やはり「2」と銘打っている割には前作との絡みが少なかったですね。ゼップルのパーソナリティがよくわかるようになった、グンナルの無茶苦茶に磨きがかかった、など、絡んでいる部分は「はははっは」と笑えるのですが、シリーズ最大の謎(パメラ)にはまるで触れていません(問題発言)し。もっとも、前作のヒロインキャラの一人ですから仕方ないといえばそれまでです。「前作でヴェインとくっついてどこかへ旅立った」という二次製作をしているユーザーがいたらと思うと怖くて触れられないと思いますし、何より前作をやっているユーザーしか相手にしないなんてことはあってはならないので。 また、リクエストとして、キャラに歌わせて欲しいなあ、と。はっきり言ってロゼ見たいな奴は私の通った学校では不良扱いになりますよ。悪く言えば無気力、意欲がないですから。そういう意味では序盤で担任にボコボコにされたかわいそうな二名のほうが意欲的だったと思いますが、ロゼみたいなのが音楽の時間、合唱をどう切り抜けるのか…興味が尽きません(偉く限定的ですが)。 それと、教師の陰謀イベントが欲しかったですね。錬金術の学科をつぶしたいと考える理事長がいたのは心躍りましたが、まさか我欲を棄てて男に走るとは…(アレも我欲か?)。なんだか勝手に自滅して終わり〜感がして物足りなさを感じました。それに、根本的には解決してないんです。来年には潰れてしまうかも知れませんし。今通っている学生はいいかもしれませんが、母校そのものや後輩のことをまるで考えないのはどうかと。視点が生徒メインなのが原因かもしれません。学校全体を見ていればこの教師は生徒の味方、この教師は理事長側、といった利害関係が見えてきたと思います。 同様に、組織図というか、人間関係が単純すぎました。学園ほのぼの、というだけに派閥もなく、部活は大学のゼミみたいなのしかなく。サブイベントはほぼお遣いとちょいと退治。折角の錬金術ですから、我欲におぼれて欲しかったです(一部金髪ご主人様は鼻血だすまで我欲に突っ走ってましたが、まあ例外だと思います)。
非常に楽しくプレイできました。一年くらいしたらまた初めからやっても楽しめる作品だと思います。なかなか他では見られないアクの強いキャラクターと、軽くてどことなく懐かしさを感じる学園生活。貴重な体験をした、という意識はまだないでしょうが、彼らのこれからの人生に大きく関わった一年であったことは想像に難くありません。そういう、作中では語られなかった彼らの人生を想像(妄想)するのが大好きなので、「限定された期間」を描いた作品は大好物です。 購入に至ったのは、まあ、その、仕事場に商品として出されていたので。色々あったんですよ。売り上げとか。
GOOD!
全体的に完成度が高く、非常に満足のいく作品でした。調合システムや戦闘システム、成長の仕方などは前作そのままという印象だったのでオリジナリティは3点とつけましたが、ガストのゲームにしか見られないという点から、「なんだ、またかよ」のという印象は受けません。
個人的にはアトリエシリーズの外伝という印象で遊んでいます。前作と同じくシナリオの視点がアトリエシリーズとは異なり、「学生」という立場を覗いており、学生生活がそのままストーリーの骨子になっているという点も他のゲームにはあまり見られず好みです。
何よりも特筆すべきは快適さだと思います。
まずゲームをプレイ中に腰を折られるロード時間がかなり短いです。これはマップ一つ一つが狭いことに起因するのかもしれませんが、操作キャラクターがスイスイ動ける、戦闘開始と終了後すぐに動ける、イベントが発生して勝手に動いているのがすぐにわかるというのは、昨今のロードが長く、多いゲームの中にあり快適にプレイできました。勿論ロードが長くても飽きないつくりになっているゲームもたくさんありますが、そういった重いストーリーで「タメ」が重要になってくるものよりも単発のギャグ、ほのぼのとした学園生活となっているので、ロード時間が短いのは非常にテンポよく話が進んだと思います。
また、戦闘も非常に快適でした。強力な全体魔法で一掃するのも可能でしたがそれだと雑魚戦は乱発できず、なれないうちは雑魚戦に多少苦労したものの、慣れていくうちに通常攻撃やスキルの効果的な使い方が判ってきて、サクサク敵を殺せますし、何より映像がド迫力、音楽も綺麗でした。個人的には行動順がタイムスフィアになったのは「いいな、コレ」と感じました。具体的に何がいい、ということはなかったのですが、カード方式だと何となく行動順が後ろに下がるのに違和感があったので。ああやってくるくる回転するものだと臨場感が増している気がします。見にくい、という意見があるようですが、特徴を覚えておけば不快に感じることもないですし。
快適さ、というと少し違うかもしれませんが、ダンジョンマップで「ちょっとまて」と思わせる宝箱がなかったのもよかったと思います。洞窟や城、ひどいものでは道端や家の中で宝箱を開けて、中から薬草や剣などが出てくるのは、経験則上ありえないと思っているので。その点このゲームは調合用の素材やせいぜい(おそらくは前もって先生が置いたか、不要になった先輩が不法投棄した)レシピ、アクセサリなので、いらっときた突っ込みをやらずにすみました。
ついで、キャラの個性です。私はアトリエシリーズから一貫して、ガストのゲームはキャラクターがとてもいい味を出している、と思っています。他の追随を許さないレベルに達していると言ってはばかりません。好き嫌いがあまりないので無個性の主人公も大好きではありますが、ロゼにせよウルリカにせよ特長的なキャラで、眉目秀麗なだけでなんのとりえもない主人公(勿論こういう主人公にも良い点はある。自分を投影できるとか)などとは比べ物にならないくらい感情移入できました。ユーザーに「このゲームの中で彼らのクラスメイトになりたい」と思わせた作品は少ないと思います。選択肢や行動を自分らしくするようなゲームは、「こういう自分になりたい」などの理想が混じるものですが、キャラの個性がしっかりしていると、「このキャラならこういう行動をとるだろう」という客観的な行動になると思います。これは後の展開が操作しやすいですし(一部例外、罠あり)、勿論「このキャラは普段からはこういう印象を受けるけれど、実はこういった行動も取れるんだ」という理想を入れることもできる、ある意味では無個性よりも自由度が高いといえます。
結論として、ちょっとしたところがいちいちツボに入ったという点を考慮に入れても、非常に満足度が高い作品でした。
BAD/REQUEST
GOOD!の項目で書いたことですが、特にストーリーに関しては、賛否が分かれるのが納得できてしまいます。明るすぎるんですね。個人的には学園生活だし、重苦しいストーリーにしてもなあ、と思うのですが、RPGですから。放置しておけば世界が滅ぶとか、あってもよかったかもしれません。まあグンナルを放置しておけば学園は崩壊する気もします。
個人的な不満点になりますと、やはり「2」と銘打っている割には前作との絡みが少なかったですね。ゼップルのパーソナリティがよくわかるようになった、グンナルの無茶苦茶に磨きがかかった、など、絡んでいる部分は「はははっは」と笑えるのですが、シリーズ最大の謎(パメラ)にはまるで触れていません(問題発言)し。もっとも、前作のヒロインキャラの一人ですから仕方ないといえばそれまでです。「前作でヴェインとくっついてどこかへ旅立った」という二次製作をしているユーザーがいたらと思うと怖くて触れられないと思いますし、何より前作をやっているユーザーしか相手にしないなんてことはあってはならないので。
また、リクエストとして、キャラに歌わせて欲しいなあ、と。はっきり言ってロゼ見たいな奴は私の通った学校では不良扱いになりますよ。悪く言えば無気力、意欲がないですから。そういう意味では序盤で担任にボコボコにされたかわいそうな二名のほうが意欲的だったと思いますが、ロゼみたいなのが音楽の時間、合唱をどう切り抜けるのか…興味が尽きません(偉く限定的ですが)。
それと、教師の陰謀イベントが欲しかったですね。錬金術の学科をつぶしたいと考える理事長がいたのは心躍りましたが、まさか我欲を棄てて男に走るとは…(アレも我欲か?)。なんだか勝手に自滅して終わり〜感がして物足りなさを感じました。それに、根本的には解決してないんです。来年には潰れてしまうかも知れませんし。今通っている学生はいいかもしれませんが、母校そのものや後輩のことをまるで考えないのはどうかと。視点が生徒メインなのが原因かもしれません。学校全体を見ていればこの教師は生徒の味方、この教師は理事長側、といった利害関係が見えてきたと思います。
同様に、組織図というか、人間関係が単純すぎました。学園ほのぼの、というだけに派閥もなく、部活は大学のゼミみたいなのしかなく。サブイベントはほぼお遣いとちょいと退治。折角の錬金術ですから、我欲におぼれて欲しかったです(一部金髪ご主人様は鼻血だすまで我欲に突っ走ってましたが、まあ例外だと思います)。
COMMENT
非常に楽しくプレイできました。一年くらいしたらまた初めからやっても楽しめる作品だと思います。なかなか他では見られないアクの強いキャラクターと、軽くてどことなく懐かしさを感じる学園生活。貴重な体験をした、という意識はまだないでしょうが、彼らのこれからの人生に大きく関わった一年であったことは想像に難くありません。そういう、作中では語られなかった彼らの人生を想像(妄想)するのが大好きなので、「限定された期間」を描いた作品は大好物です。
購入に至ったのは、まあ、その、仕事場に商品として出されていたので。色々あったんですよ。売り上げとか。