〇龍が如く × 北斗の拳 ある意味で夢のコラボレーションを果たした本作。 確かに「北斗の拳」の世界観と「龍が如く」のシステムはそれなりに相性が良さそうに思える。 また個人的な意見として、如くシリーズ最大の弱点である戦闘パートのつまらなさを、北斗の部分で埋められるなら、それはまさに革新的なコラボになるに違いない。 ストーリーは完全オリジナルストーリーになっており、北斗本編とは違った展開で進んでいく。 しかし本編キャラも色々と登場し、レイと対決するシーンや、聖帝サウザーが襲ってくる展開など、原作にちなんだ部分も多い。 無論、北斗四兄弟のラオウ、トキ、ジャギも登場する為、原作ファンも(ある意味では)納得できるかもしれない。 ストーリーの良し悪しはともかくとして、こういうifストーリーを今の時代にプレイできるというのが、最大の魅力と言えなくもないだろう。 〇流れるような北斗神拳 戦闘システムの基本は「龍が如く」と一緒である。 「□ボタン」でラッシュ攻撃、「△ボタン」でフィニッシュ攻撃。 相手の耐久力が減ると「〇ボタン」で秘孔を突き、相手が気絶したら奥義攻撃。 違いと言えば掴み攻撃が秘孔攻撃に変わったくらいで、それ以外はほぼ一緒なので、まあ分かりやすいシステムと言えるだろう。 奥義も複数あり、まさしく一撃必殺の暗殺拳らしい破壊力となっている。
〇全体的なあっさり具合 かつて「龍が如く」シリーズを「ヤクザ風ミニゲーム集」と呼んだ事があるが、本作はまさしく「世紀末風ミニゲーム集」である。 様々なミニゲームが収録されているものの、どれも中途半端な出来であり、手放しに褒められるレベルではない。 というのも、全てのミニゲームが「龍が如く」から流用されているからだろう。 どれもこれも如くシリーズで出てきた既存のミニゲームを、北斗っぽくアレンジしているだけで、大きな変更点はない。 まあそれ自体は仕方のない事かもしれないが、それでいてアレンジすら中途半端なのである。 例えば診療所で音楽に合わせて治療する「ケンシロウクリニック」は、如くシリーズお馴染みのカラオケなどの音ゲー風ミニゲームであるが、曲はすべて童謡やクラシックなどの名曲となっている。 なぜアニメ「北斗の拳」の曲が一曲も無いのか、それが分からない。 いや、権利関係とか色々とあるのだろう。でもそこを何とかするのがコラボゲーではないのか。 なんでケンシロウなのに「かたつむり」の曲なのか。そこは「愛をとりもどせ」では無理だったのか。 またナイトクラブで黒服として活躍する「黒服ケンシロウ」。まあいわゆるキャバクラ経営である。 人気コンテンツなのか、「0」、「極2」ときて三度目であり、内容もほぼ一緒。 まあそこまではいい。しかしキャストは全員オリキャラとなっている。 なぜ「北斗の拳」の原作キャラではないのか、それが分からない。 いや、これも大人の都合とか色々あるんだろう。でもそこをどうにかするのがコラボゲーではないのか。 (まあ原作に出てくる女性キャラなんてマミヤ、アイリくらいだから原作縛りの方が難しいのだろうが) 〇微妙な戦闘パート 結局のところ、戦闘パートは如くシリーズに毛が生えた程度で、そこまで面白いというものではない。 特に雑魚戦が厄介。 ただのモヒカンのくせに、超反応でこちらの攻撃をガードや回避したり、集団でこちらを潰しにかかってくる。 こっちは一発殴られただけでよろけたりダウンしたりするのに、向こうはスーパーアーマー付きの攻撃でこちらに襲い掛かってくる。 どうなってるんだ北斗神拳は。 また武器持ちのモヒカンも厄介で、下手にガードが出来ない分、難易度によってはシンやトキよりも強い。 特にボクシングスタイルの雑魚が異様に強く、北斗神拳よりも速いジャブでこちらの攻撃を潰してくる。 どう考えてもボクシングの方が強いだろ!と思ったが、北斗神拳は1900年の歴史だが、ボクシングはある意味それよりも長い訳で、そりゃ強いわな、と自分を納得させる。 なおほとんどの雑魚のモーションは如くシリーズの雑魚モーションから流用されているものである。
やり方次第ではもっと面白く出来ただろうに、残念なゲームではある。 プレイしていて思ったが、やはりゲームにはオリジナリティという部分は大事なのである。 本作にも「龍が如くのシステムで北斗の拳を作ったら」というオリジナリティはあるものの、結局それだけしかない。 ほとんどの部分は既存のものをアレンジしたか、そのままぶっこんだか、どちらかであり、目新しさというものは皆無である。 正直なところ、龍が如くファンにも、北斗の拳ファンにもオススメはしにくい作品に仕上がっている。 如くシリーズの部分で見ると、本作の舞台であるエデンは、それなりに広かった神室町に比べると狭く、探索する要素はほとんどない。 あちらこちらに沸いてるザコにはすぐ絡まれるし、いちいち店に行く為に昼夜を切り替えたりしないといけないし、微妙に離れてる店舗を移動したりしないといけない。しかもケンシロウの足が遅いときたもんだ。 北斗ファンの目線で見ると、色々と粗い部分が見えてくる。 アニメ版と声優が違うというのはまあ仕方ない。大人の都合とか色々あるのだ。 サウザーとかラオウがちょっとしか登場しない、というのも仕方ない。どう考えても無理矢理ぶっこんでるのだ。 でもラスボスの設定は、明らかにおかしい。 細かくは避けるが、北斗の拳のラスボスなのに、拳法で戦わない上、しかも結構強いのだ。 結局、拳よりも武器の方が強い、とかいう話なのかこれは。 黒幕に背中から撃たれて負傷する……なんてのは龍が如くシリーズではよくある事だが、それを北斗の拳の世界観でやっちゃいかんだろう。 とまあ色々と書いたものの、ゲーム自体はそこまで悪いものではない。 龍が如くファンなら、やった事あるようなミニゲームばかりだし、話の展開も予想通りで面白味はないかもしれない。 北斗の拳ファンなら、ストーリーも変だしキャラも変なので、納得できないかもしれない。 でも、そういうのをいったん全部忘れて、まっさらな気持ちでプレイすれば、ゲーム自体は楽しめるんじゃないかな、と思わないでもない。
GOOD!
〇龍が如く × 北斗の拳
ある意味で夢のコラボレーションを果たした本作。
確かに「北斗の拳」の世界観と「龍が如く」のシステムはそれなりに相性が良さそうに思える。
また個人的な意見として、如くシリーズ最大の弱点である戦闘パートのつまらなさを、北斗の部分で埋められるなら、それはまさに革新的なコラボになるに違いない。
ストーリーは完全オリジナルストーリーになっており、北斗本編とは違った展開で進んでいく。
しかし本編キャラも色々と登場し、レイと対決するシーンや、聖帝サウザーが襲ってくる展開など、原作にちなんだ部分も多い。
無論、北斗四兄弟のラオウ、トキ、ジャギも登場する為、原作ファンも(ある意味では)納得できるかもしれない。
ストーリーの良し悪しはともかくとして、こういうifストーリーを今の時代にプレイできるというのが、最大の魅力と言えなくもないだろう。
〇流れるような北斗神拳
戦闘システムの基本は「龍が如く」と一緒である。
「□ボタン」でラッシュ攻撃、「△ボタン」でフィニッシュ攻撃。
相手の耐久力が減ると「〇ボタン」で秘孔を突き、相手が気絶したら奥義攻撃。
違いと言えば掴み攻撃が秘孔攻撃に変わったくらいで、それ以外はほぼ一緒なので、まあ分かりやすいシステムと言えるだろう。
奥義も複数あり、まさしく一撃必殺の暗殺拳らしい破壊力となっている。
BAD/REQUEST
〇全体的なあっさり具合
かつて「龍が如く」シリーズを「ヤクザ風ミニゲーム集」と呼んだ事があるが、本作はまさしく「世紀末風ミニゲーム集」である。
様々なミニゲームが収録されているものの、どれも中途半端な出来であり、手放しに褒められるレベルではない。
というのも、全てのミニゲームが「龍が如く」から流用されているからだろう。
どれもこれも如くシリーズで出てきた既存のミニゲームを、北斗っぽくアレンジしているだけで、大きな変更点はない。
まあそれ自体は仕方のない事かもしれないが、それでいてアレンジすら中途半端なのである。
例えば診療所で音楽に合わせて治療する「ケンシロウクリニック」は、如くシリーズお馴染みのカラオケなどの音ゲー風ミニゲームであるが、曲はすべて童謡やクラシックなどの名曲となっている。
なぜアニメ「北斗の拳」の曲が一曲も無いのか、それが分からない。
いや、権利関係とか色々とあるのだろう。でもそこを何とかするのがコラボゲーではないのか。
なんでケンシロウなのに「かたつむり」の曲なのか。そこは「愛をとりもどせ」では無理だったのか。
またナイトクラブで黒服として活躍する「黒服ケンシロウ」。まあいわゆるキャバクラ経営である。
人気コンテンツなのか、「0」、「極2」ときて三度目であり、内容もほぼ一緒。
まあそこまではいい。しかしキャストは全員オリキャラとなっている。
なぜ「北斗の拳」の原作キャラではないのか、それが分からない。
いや、これも大人の都合とか色々あるんだろう。でもそこをどうにかするのがコラボゲーではないのか。
(まあ原作に出てくる女性キャラなんてマミヤ、アイリくらいだから原作縛りの方が難しいのだろうが)
〇微妙な戦闘パート
結局のところ、戦闘パートは如くシリーズに毛が生えた程度で、そこまで面白いというものではない。
特に雑魚戦が厄介。
ただのモヒカンのくせに、超反応でこちらの攻撃をガードや回避したり、集団でこちらを潰しにかかってくる。
こっちは一発殴られただけでよろけたりダウンしたりするのに、向こうはスーパーアーマー付きの攻撃でこちらに襲い掛かってくる。
どうなってるんだ北斗神拳は。
また武器持ちのモヒカンも厄介で、下手にガードが出来ない分、難易度によってはシンやトキよりも強い。
特にボクシングスタイルの雑魚が異様に強く、北斗神拳よりも速いジャブでこちらの攻撃を潰してくる。
どう考えてもボクシングの方が強いだろ!と思ったが、北斗神拳は1900年の歴史だが、ボクシングはある意味それよりも長い訳で、そりゃ強いわな、と自分を納得させる。
なおほとんどの雑魚のモーションは如くシリーズの雑魚モーションから流用されているものである。
COMMENT
やり方次第ではもっと面白く出来ただろうに、残念なゲームではある。
プレイしていて思ったが、やはりゲームにはオリジナリティという部分は大事なのである。
本作にも「龍が如くのシステムで北斗の拳を作ったら」というオリジナリティはあるものの、結局それだけしかない。
ほとんどの部分は既存のものをアレンジしたか、そのままぶっこんだか、どちらかであり、目新しさというものは皆無である。
正直なところ、龍が如くファンにも、北斗の拳ファンにもオススメはしにくい作品に仕上がっている。
如くシリーズの部分で見ると、本作の舞台であるエデンは、それなりに広かった神室町に比べると狭く、探索する要素はほとんどない。
あちらこちらに沸いてるザコにはすぐ絡まれるし、いちいち店に行く為に昼夜を切り替えたりしないといけないし、微妙に離れてる店舗を移動したりしないといけない。しかもケンシロウの足が遅いときたもんだ。
北斗ファンの目線で見ると、色々と粗い部分が見えてくる。
アニメ版と声優が違うというのはまあ仕方ない。大人の都合とか色々あるのだ。
サウザーとかラオウがちょっとしか登場しない、というのも仕方ない。どう考えても無理矢理ぶっこんでるのだ。
でもラスボスの設定は、明らかにおかしい。
細かくは避けるが、北斗の拳のラスボスなのに、拳法で戦わない上、しかも結構強いのだ。
結局、拳よりも武器の方が強い、とかいう話なのかこれは。
黒幕に背中から撃たれて負傷する……なんてのは龍が如くシリーズではよくある事だが、それを北斗の拳の世界観でやっちゃいかんだろう。
とまあ色々と書いたものの、ゲーム自体はそこまで悪いものではない。
龍が如くファンなら、やった事あるようなミニゲームばかりだし、話の展開も予想通りで面白味はないかもしれない。
北斗の拳ファンなら、ストーリーも変だしキャラも変なので、納得できないかもしれない。
でも、そういうのをいったん全部忘れて、まっさらな気持ちでプレイすれば、ゲーム自体は楽しめるんじゃないかな、と思わないでもない。