オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 4pt | 3pt | 2pt |
76pt
GOOD!
未経験者の方に向けて、まずこのゲームについて、その世界観と主要なキャラを簡単に紹介したいと思います。いや、んなのいいからって方はすっ飛ばして下さい。
このアトリエシリーズは、もう長い歴史を持つ昔ながらのファンも多い作品で、今作はその中でも「黄昏シリーズ」と呼ばれる物の3作目に当たります。(だいたい同じ世界観での続編が2.3作連続で出るのがアトリエシリーズの特徴です)主人公はほぼ女性であることが多く、また皆錬金術士という立場にあります。
世界観の基軸となっている「黄昏」について説明しますと、資源の枯渇、食物の不作などが広がる、いわば衰退していく世界です。今作ではその中でもとりわけ「水涸れ」について焦点が当てられています。海水すら無くなり、本来海であった場所は延々と砂漠が続く死の大地と化しており、そんな中でまだ辛うじて水源を保つ街「ステラード」にて、主人公の女の子2人が出逢う事により、物語は動き始めます。尚、前作に引き続き、今作でもダブル主人公システムを採用しているため、2人の主人公のうちどちらを主軸にするかを任意で選べます。
では、簡単なキャラ紹介を・・・
・シャリステラ 主人公の1人。故郷の村の水涸れが酷く、その解決法を探る為ステラードを訪れる。楚々とした黒髪ロングのお嬢様で、錬金術士より民族巫女といった肩書きの方が似合いそうなしっとり系。バトルでも鈴を手によく祈ってる。声は好みが分かれそうだが、今は慣れてヘンにツボ。愛称はシャリー。
・シャルロッテ もう1人の主人公。こちらも愛称はシャリー。母親と共にステラードに住んでいて「いつかデカい事をやりたい!」という野望を持っているが、錬金術士としての腕は振るわず、日銭稼ぎの地味な仕事を日々続けている。緑髪のショートで、シャリステラとは対称的に活発で直情径行。立ち直りが早くめげないところも好印象。しかし何より目を引くのは胸のデカさ。歴代主人公の中ではおそらく一位。漬け物石で敵をぶったたく姿と、その漬け物石のような胸に惚れます。釣りも出来るが、ミニゲームにして欲しかった。
・コルテス シャリステラの護衛を務める青年。性格は至って普通だが、唯一のイケメンパーティキャラ。(いや、キースイケメンだしという方ごめんなさい)アトリエシリーズは、パーティインする男女の比率が女性に偏っているため男性キャラ好きの人には重宝するが、戦闘中の行動によって使えるスキルが変化するため、やや使いにくい感が否めない。なので個人的にはバトルでも活躍の機会を逸し、なんかすげー普通の人。
・ウィルベル 精霊と契約するため遍歴を続ける魔法使いの女の子。黄昏シリーズ3作通して登場の人気キャラで、自分も好き。衣装も凝ってて可愛らしい。性格的にシャルロッテと合うなと思っていたら、果たして彼女の師匠というポジションに。バトルで魔法剣を操るスタイルも新鮮で良かった。ファンとしてはもう一回アーシャと絡んで欲しい。
・ユリエ トレジャーハントを生業とする女性。財宝好きの妹好き。ぱっと見ギャルだが性格は意外と落ち着いていて常に冷静。個人的にあのぶっとい首巻き?みたいなのは要らなかったと思う。和名っぽいが漢字にすると「百合江」とかなのだろうか…あとスキルの「ステルス」は、真剣なのか天然なのか洒落なのか判断に迷うところ。
・ミルカ シャルロッテの幼馴染みでユリエの妹。他人と太陽が嫌いで、機械いじりが好きとやや引きこもり気味の少女。武器や防具を錬成してくれる鍛冶屋の役割も持つ。金髪リボンのクールロリで武器はパイルバンカーというある種の定番萌にヤられて、今作一番のお気に入りキャラ。弱点付加のスキル的にも高難度ボス必須。レベルアップ後のにんニコや必殺技後のピースに、もはや従僕と化す。オノレ…
・ホムラ ホムンクルスという黄昏シリーズではおなじみのマスコット的な存在だった彼らが、本作で遂にパーティイン。リスとウサギの中間のような見た目のぬいぐるみが、侍コスプレで闘いお菓子を要求。男がこれを可愛いと言うとキモいだけかもしれないので、代わりに身近な女性(恋人や友達、もしくは母ちゃんか姉ちゃんか婆ちゃん)に、「かわいい~!」と叫んでもらいましょう。実際スキルの威力が高いので、ボス戦等では見た目に反して頼りになる。
・キースグリフ シリーズ通してのキーパーソンであり、黄昏の真実を追う天才錬金術士の男性。一見冷たくて不遜な感じだが、美少女錬金術士に弟子にしてくれと嘆願される運命にあるのか、何だかんだで一番女性に囲まれている羨ましいおじさん。パーティに入ったのは嬉しかったが、一番弟子どこ行った?バトルでは消耗は激しいがスキルが強力。
以上がメインのキャラになります。
ここから肝心のレビューということになりますが、まず上記のキャラをはじめとした3Dモデルが非常に良いということ。ほぼイラストに忠実に作り込まれており、ホントに原画が立体になって動いているといった感じです。こういうのを心底可愛いと思える日本人に生まれて良かったな~と思う瞬間です。
背景も回を増す毎に、リアルではないですが見応えのあるものになって来ています。特に今回はロケーションも多く、前作と比べると世界を冒険している感が出ていると思います。あと個人的には、この黄昏シリーズの絵が今までで一番好きです。
戦闘もかなり楽しいです。前作のエスカロジーから、前衛後衛入り乱れてのスピード感あるバトルシステムに移行し、さらに今回はバーストモードやフィールド全体に効果を齎す新要素まで追加され、好きだったマナケミアシリーズの戦闘が昇華されて戻って来たような感じです。各キャラの使用スキル数が増えたのも何気に嬉しいし、難易度選択もGOODです。
今後のアトリエシリーズの戦闘もこの形が基本でいいと思います。オーソドックスなコマンド式でもこれなら個性出てるし、少なくともアーランドシリーズ+アーシャのようなパーティ交代の煩わしさはないのですから。あの頃はいちいち話し掛けて交代しないとステータスも満足に拝めないというアホ仕様だったので…
このシリーズのメインとなる調合についても、毎作微妙にやり方が違うのですが、よくもまあ毎回飽きさせずに新しい手順で楽しめるよう考えられるもんだなと感心する程、シリーズファンでもアイテム製作に浸れる仕様になっています。
いや、基本的な部分は同じなのですが、調合スキルの使い方とかが少し違うだけで、何故か前作とは似て非なる感覚で楽しめるので、何というかアトリエマジックにかかったような感じです。やっぱアイテムをここまで細かく作れるのは、自分の知る限りこのシリーズだけなので、オリジナリティを含め高く評価出来る部分だと思います。
これはBADの要素も含みますが、このシリーズの伝統であった日数制限が今作では無くなりました。時間に急かされることなく戦闘、調合、採取を好きなだけ繰り返せるので、プレイスタイルを縛られないという点では良いと思います。自分もどちらかというとゆったりやりたい方なので…しかし、それによる個性の欠落、計画を練る楽しさや達成感の剥脱など弊害も生じているのは確かで、賛否両論も当然でしょう。どちらを好むかは、完全に個人によります。折衷案として、戦闘や調合では時間経過せず、探索でマップを移動したら日数が経過する、なんてのはどうでしょうかね。
毎回高評価を得ている本シリーズのBGMですが、確かにいい曲は過去作含め沢山あると思います(今回はラストダンジョンの曲とか素敵でした)。ただ他作品と比べて飛び抜けて優れているかと言われれば特段そうでもないような気もしますが…でもBGMを自由にカスタマイズ出来る機能は、他には見られない素晴らしい部分で、以降も組み込んで欲しい要素です。しかしあれだけ自由に聴けて、サントラの売上に影響しないのだろうか…
BAD/REQUEST
まず何より致命的なバグがあったこと。本体終了が正常に動作しないバグなんて初めてだったので、これは内容に対する評価以前の、絶対やってはいけないミスだと思います。これはさすがに修正パッチが配信されるだろうと思ったので、それまで自主的にプレイをおあずけしていました。なので今はもう大丈夫ですが、ネット環境が整っていないユーザーさんは一体どうしたのでしょうか。これは明らかな不良品販売なのでホントマジやめて欲しい。発売日が1.2ヶ月延期してもいいのでやめて欲しい。こんな情けない批判を毎回ファンにさせるなんて事をやめて欲しい。
あと悪かったのは、これも毎度の事ですがシナリオ&サブイベント。いや、もうホントに…うん、なんつーか毎回毎回山も谷もない平坦なストーリーを延々と…ただ平坦ならまだしも、なんか下ってってないか?どこに堕ちてくんだこれ…って感じです。せっかくの可愛いキャラも、盛り上がらないシナリオとセンス無いイベントのせいで7割以上台無しに。
黄昏?結局真実は何処?中央?それ実在する街ですか?水涸れ?そのオチはねーだろと、最初から期待はしていませんでしたが、期待しないことが期待通りになるってどーなんすかね。黄昏シリーズはこれで終わりですか?だとしたら何も残らないんだけど。別に黄昏の原因を全て解決しろとは言いませんが、せめてもう少し根幹に迫らなければ文字通りお話にならない。3作で区切りを付けるという枠に捕らわれないでいいので、自作も黄昏の続編を出して、一応話としてキッチリ完結させて欲しい。幻の「中央」を次は拠点にするなどして。それかせめてマナケミア2のようなコメディ色の強い作品を…昨今のイベント見てると、あの頃のセンスは何処行ったんだと思う。
新要素のライフタスクについてですが、これは段階的に主人公がやりたい事を思い付いていって、それをこなすことで経験値などのボーナスが貰えるというものですが、いかんせん煩多で分かりにくい。ほっとくとどんどん増えてくし、例えば「日用品のアイテムを作ろう」「猛獣を倒そう」など言われても、どのアイテムが日用品なのか、どの敵が猛獣なのかがイマイチわからず、図鑑などでいちいち分類を調べないといけなくなります。さらには水を10回汲もう、樽を30個壊そうなどただ面倒くさいだけのものも…
毎作同じ事をする訳にはいかないのでしょうが、前作や新ロロナのような体操カードにスタンプぺったんの方が明瞭で分かりやすかったです。ビンゴも出来たし。
さらに細かい事を言えば、素材に備わった潜力が、アイテム専用の潜力なのか、武具専用の潜力なのか、例えば文字の色とかですぐ判るようにして欲しいです。「この潜力を武器に付けてみよう」と調合を繰り返して材料を作り、いざ武器を作ろうとしても「え!?この潜力武器には付かないの?」なんて事が多々ありました(特に○○のソウルというヤツ)。未経験者の方には特に判りにくいんじゃないでしょうか。少し不親切に思います。
COMMENT
総評として、バトルや調合などシステム面では、安定した出来を保っていて面白いです(ただ、バトルが面白くなるのは味方が増えてからです)。調合は初めての方は最初戸惑うかも知れませんが、繰り返して慣れてくれば、素材集めを含め楽しめるようになると思います。このゲームはレベルを上げてキャラを育成するというより、調合を繰り返す事でキャラを強化していく面が強いものなので、その育成システムにはまれるかがポイントになります。高難易度でまるで歯が立たなかった敵に、「こなくそっ!」と自分なりの強アイテムや武具を作って勝ったときの達成感は、レベル依存の強さの物とは、また違ったものがあります。
BADも色々書いて、バグ等多いシリーズではありますが、コンスタントにこうやってRPGを出し続けてくれる所もそうそう無いので、これをガストの人が見てくれてるかは分かりませんが、陰ながら応援してます。頑張って下さい。新作は必ず買います。あと個人的にはオディーリアがすごく使いたいので、今後のDLCに期待して待ってます。
長々と、大変失礼致しました。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
---|---|---|---|---|---|---|
3pt | 2pt | 4pt | 2pt | 2pt | 2pt | 2pt |
46pt
GOOD!
「戦闘」
今作では、チェイン、というPTメンバー全員による連携攻撃が非常に重要なファクターとなっている。
というのも、これがなければ中盤から終盤の固い敵を倒すのにものすごい時間やアイテムが必要になるので、ほぼ必須の過程と言える。
小さな連携を重ねて早くチェインを組み上げるか、それとも大きくチェインを高めうる範囲攻撃で一気に攻めるか、など、それなりに戦闘時の選択の幅ができていて、なかなか面白い戦闘になっている。
ただ、「チェインありき」でしか戦闘が回しづらく、それ以外の戦闘手段だと、とたんにゴリ押し一択となるのがちょっとアレといえばアレ。
「日数制限がない」
これはなかなか思い切った方針転換かもしれない。
日数制限がないことで時間に追われることも当然なくなり、採取だろうが調合だろうが好きなだけできるようになっているので、のんびり寄り道することも気軽にできるようになった。
ただ、メインシナリオ中に好きに採取などをやり過ぎるとやる気ゲージが下がって採取効率などがガタ落ちになってゲームテンポが下がるし、自由行動中に好きな行動をとっていると、そう間を置かずに次のシナリオに到達してしまう。(別に、すぐに次のシナリオに行く必要はないのだが、調合部屋に入るたびに次のシナリオに行きますか、とメッセージが出てくる)
日数制限をなくすのが悪いというわけではないが、自由なプレイを結局阻害するなら、きちんとシステム側が日数管理を計算に入れた上で日数制限があったほうが良かったし、日数をなくしてしまうならおかしな縛りもなくしてしまうべきだったと思う。
BAD/REQUEST
「シナリオ」
頑張ってはいたと思う。文章量、数、イベント発生のタイミングなど、それなりに考えられていたとは思う。
が。シリーズ通しての主題である「黄昏」について、未解決どころか非接触なのはどういう事なのか。
前作では黄昏色の空に終末らしい雰囲気だけは感じていたのだが、今回の舞台は超青空。こうなってくると黄昏ってなんぞ、と不思議に思う。謎の解明どころか黄昏という言葉の指す事態が、その世界観にあってはどういう現象を指すのか、という説明自体が存在しない。
はっきり言ってしまうと、説明なしでは言葉通りの理解をしてしまうのが普通。黄昏=夕暮れ。その理解でいいなら説明なんぞ不要だが、そうじゃないならしっかり、はっきりと「これがこの世界における黄昏、という定義である」と説明しないと、まず世界観が不明瞭になる。
どうして呼称が「終末」ではなく「黄昏」なのか? 見ればわかる作りではないのだから少なくともその情報は必要だったと思う。
この他にも、黄昏シリーズで語られてきた様々な伏線すべてがほったらかし。
答えをあえて出さないことで作品の深みを引き出す、という手法もあるにはあるが、それは今作のように、貼った伏線を回収せずにエンドマークをつける、というのとは違う。
これまでのアトリエシリーズの大半は一作完結が前提で、世界観を同じくしていて、過去作のキャラが出演していても、その一作だけでお話自体は完結していた。だから、ある程度未完結の要素があってもさほど気にする必要もなかった。
が、今回のシリーズは「黄昏」という主題が揺るがしがたく存在し、その前提のもとで話が進んでいっていたはず。なのにその主題が全く語られないまま「おしまい」では納得のしようもない。
どう見てもストーリー上、重要イベントのはずのウィルベルイベントが結局エンドになんの関係もない。キャライベントがイマイチ中途半端。キャラエンディングが存在しなくなっている。と、総じて結論の部分が雑で未完成品っぽい。
あと、特定のイベントで他のイベントとの間に不整合があったりする。
結論としては「頑張ってはいるがそれだけ」としか言えない。
「システム」
セーブできないとか、電源がきちんと切れないとか、最悪セーブデータやHDDに破損が発生するとか。
軽微なところでは「行動指針を示すフレーバーテキストと実際要求される行動との間に齟齬がある」なんてバグもあった。(Aという地点で採取したいな、と一枚目に書いていて、作業現場が書かれた二枚目に指示されているのはB地点、なんてふうに)
なんていうか、パッチ前提の作りに甘えるのはPCゲームだけでいいと思う。
ド高い金を取る固定機でしか遊べないのに、PCよろしくネットワークからパッチを、なんて話になるなら、なんのための固定機なのか。
「グラフィック」
シリーズ通して、ということになるが。前作から敵キャラとか使い回しが多すぎ。使い回しやモーション削減で作業工数を減らし、相対的に制作費を削っているのだろう。それ自体はシリーズなのだから別にいい、という側面もないではないが、そのためだけにシリーズという体裁にしてやしないか?
シリーズにするなら、シリーズでしか語れない長大なシナリオや、キャラクタ同士の交流を描いてほしい。
そうでなければ単に楽してるだけじゃね? と思えてしまう。
あとこれはシステム周りの問題とも言えるが、今作ではカメラビューが上方からの見下ろし固定。階段などで上下移動を必要とする特定のマップでは敵の位置が掴みづらく、周囲の環境を捉えづらい。
せっかくフリーカメラで周囲を見渡せる作りにしているのになんで見下ろし固定にしたのだろう……?
「調合」
今作の調合は、上級の素材(特に自分が作った薬や宝石など)を調合素材にしようとすると、鬼のような高コストを要求されてしまう。そのため、作成にはスキルや調合手順の組み立てがいちいち必要で、回数をこなすのが極めて面倒。
言い換えれば普通のものを作りたくてもスキルをいちいちセットする必要があったりする。
何もしなくても標準的なものはできるが、スキルを使えば高品質な物を作れる、というバランスのほうが良かった。
また、採取代行や作成代行、製作品の複製などの調合補助要素がなくなっているので、移動・採取・調合をかなり高頻度で行う必要があり、煩わしい。こういった作りにするなら、量産が必要ないバランスにするか、あるいは基礎生産品などを量産しやすいシステムを構築して欲しかった。
COMMENT
意欲的に様々な要素を追加・変更しているのは好印象。おそらく、ユーザーの声を聞いてくれたのだろう、と思いたい。
が、不整合やバグが量産されているのはいただけないし、シナリオの主題が蔑ろになっているのもダメ。
現代に残された旧文明の施設、前作のストーリーボスその後、精霊と人間とのあいだにあった諍い、何よりも黄昏の真実。そういった明かされてしかるべきお話をすべて明かした完結編でも作ったほうがいいんじゃないだろうか、と思う。
つまらないわけではないが魅力がない。面白くはあるのに引き込まれるものがない。
黄昏や水涸れのように世界や土地全体規模の大きなストーリーを扱うなら、錬金術や調合よりもストーリーメインの制作にするべきだし、あくまでも錬金術や調合、といった「錬金術士にとって身近なもの」をメインに据えるなら、ストーリー自体は小さく、身近な目標としたほうが良かったように思う。「世界を救うのはもうやめた!」みたいに。
総評としては「あっちこっちに手を伸ばしてみた結果、全てにおいて中途半端な印象」というところ。
オリジナリティー | グラフィックス | サウンド | 熱中度 | 満足感 | 快適さ | (難易度) |
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3pt | 3pt | 4pt | 2pt | 3pt | 3pt | 2pt |
57pt
GOOD!
アトリエはアーランドシリーズから入った者です。 BGMは黄昏シリーズの中でもクオリティが高い。数、質共に高いと感じた。ボーカル曲も○。 戦闘が前作よりもテンポが良くなり、難易度調整によってゲームに慣れていない初心者も安心。 グラフィックは前作と同等程度。 調合システムは属性毎に個別の調合スキルを発動できるようになった。同じアイテムの調合でも属性の吟味が重要になった。 日数、期限の廃止。採取に気を使う必要が無い、アイテムを気兼ねなく調合できる等評価できる点もあるが、批判点でもある(詳しくは後述)。
BAD/REQUEST
リリース初期の回避困難なバグ(現在はアップデートにより改善) イベントの淡白さ。イベントスチルも少なく、エンディングも少なくなった。 シリーズ全体のストーリー、今作のからのストーリー。両者共に消化不良のままエンディングを迎えてしまう。 キャラクターの設定を生かせておらず、前述のイベントの薄さもあり掘り下げが浅い。 物語中盤以降離脱や合流といった要素もなく、前作と同じく主人公が二人である必要を感じない。 日数、期限の廃止によって、アトリエの醍醐味の一つであるスケジュール管理の楽しみが全て失われている。これによりイベント等でも時間の経過が実感できず、ストーリーも盛り上がりに欠ける。 新システムのライフタスクが、自由度を上げるどころかより窮屈になった印象を受けた。ストーリー進行に際して「やらされてる感」が強いメインタスクは特に顕著。
COMMENT
ゲームとして破綻はしていないが、アトリエシリーズの根幹とも言える期限の廃止が予想以上にゲームをつまらなくしてしまっている。行き過ぎた自由度は作業感を助長するだけということを痛感した。 元々システムに慣れてくればおのずと自由時間の増えるゲームであるため、アトリエシリーズに慣れているユーザーほどつまらなく感じたのではとおもう。 日数、期限の廃止を差し引いてもイベント周りが総じて薄く、はっきり言って手抜きではないかと感じる点も多々。 しかし従来のアトリエシリーズに違わず、個々の素材は悪くないため、もっと丁寧に作り込めば違ったのではないか。 余談になるが、開発者のインタビューを鑑みるに黄昏シリーズは今回で「完結」ではなく「一区切り」だそうだ。続編では期限の復活を期待したい。
Amazonレビュー
レビュー日: 2014-08-16
戦闘や調合に関してはマナケミアやアルトネリコをプレイ済みなので、違和感なく楽しめました。久しぶりのRPGでしたが改めてシナリオって重要なんだなと感じました。
GOOD!
・オリジナリティー[4点]
自分で素材を集め、アイテムを調合していくというシステムは、アトリエシリーズ経験者の方にとっては当たり前のことかもしれませんが、シリーズ初プレイの自分にとっては新鮮でした。
普通のRPGなら店で売っている戦闘アイテムすらその例外ではなく、自分で1から作り上げるというのは特にオリジナリティーを感じた点です。
・サウンド [4点]
購入前にPVを見た時に流れていた「赤光」が気に入ったので、元々BGMには期待していましたが、実際にプレイしてみて、満足できる内容でした。
この作品のBGMはどれも作風にあっていて良いものが多かったと思いますが、中でも特に気に入ったのはボス戦のボーカル曲です。
黄昏に向かう穏やかな世界観を守りながらも、こちらの気分を高めてくれるいいものでした。やはりBGMが良いと戦闘のモチベーションは全然違いますし、サウンド面は本当に満足できた点です。
・熱中度[4点]
自分は2周ストーリーをクリアしましたが、飽きずにプレイすることができました。まず1週目についてですが、ちょうどいいタイミングで新要素が解禁されていく点が素晴らしいと感じました。
自分はRPGを序盤はのめり込んで一気にプレイしても、中盤あたりで飽き始めて失速することもしばしばあるのですが、この作品は、終盤までできることを少しずつ増やしていってくれるので、そこが長続きした要因だったと思います。
2周目については、主人公が2人いて1周目とは違う主人公を選択することができるので、1周目とは異なるイベントなどもあり、気持ちよくプレイすることができました。
・バトルシステム
戦闘はターン制で、アクション要素は一切ありません。この点はアクションゲームが苦手な自分にとっては快適で、楽しめました。
戦闘に参加できる人数は6人で、前衛と後衛に分かれますが、後衛が前衛をサポートする“アシスト”というシステムがシンプルながらも奥深く、爽快で良かったと思います。
・キャラクター
どのキャラクターにもしっかりと個性があって、男女ともによかったと思います。フルボイスであるが故に声優さんに作品の出来が大きく左右されると思いますが、どの方も素晴らしくてすんなり作品に入り込むことができました。
BAD/REQUEST
・セーブ関連
一通りプレイしてみてそれほど大きな不満というほどのものはありませんでしたが、少し気になったのは、セーブについてです。
基本的に戦闘で全滅しても特にペナルティーはなく、フィールドからワールドマップに戻されるだけで済みます。
しかし、一部のボス戦については例外で、全滅するとゲームオーバーになり最後にセーブしたところまで戻されてしまいます。
そのことは説明書にも書いてあるのですが、自分はそれを知らずに数時間程度戻されてしまったことが1度ありました。
もちろんこまめなセーブを怠った自分が悪いことは分かっていますが、章が進む時などにセーブをするかどうか問うなどの配慮があっても良かったのではないかと感じました。
COMMENT
以前から気になっていたアトリエシリーズを初めてプレイしましたが、全体的に満足できる内容でした。
普段1つの作品にかける時間は30~40時間程度の自分が100時間プレイしたのが何よりの証拠だと思います。
自分の中でアトリエシリーズというとアイテム作成のイメージが強く、戦闘にはそれほど期待していなかったのですが、ターン制でもテンポがよく爽快で、いい意味で期待を裏切られました。
その他にも音楽やキャラクターなど気に入った点があり、購入して良かったなと感じられました。
他のアトリエシリーズの作品を知らないので、シリーズ経験者の方に意見することはできないかもしれませんが、まだアトリエシリーズをプレイしていないという方にはおすすめできる作品です。