【PS3】トラスティベル〜ショパンの夢〜 ルプリーズ
発売元 | バンダイナムコゲームス (オフィシャルサイト) |
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発売日 | 2008-09-18 |
価格 | 7329円(税込) |
レーティング | 【A】全年齢対象 (CERO について) |
ショップ/リンク | Amazon |
タギングトップ3 | |
タイトル概要 |
■ ジャンル:新感覚クロニクルRPG ■ プレイ人数:1人(戦闘時のみ最大3人) 【廉価版】 ■ 発売日:2009/09/03 ■ 価格:3,800円 |
GOOD!
▼オリジナリティー
国産RPGとしては設定・シナリオが独特。
まず実在した作曲家ショパンを取り上げ、今際の際の病床にある彼の現実と、
彼の夢の世界が交差するという設定。そして夢の世界に国家や人が存在し
そこで起こる出来事を綴るというプロットは独創的だと思う。
・プロットについて補足
夢の世界ということで、物語を理解するには若干の心理学的素養が
必須となる。自説の詳細は書かないが、例えば「ポルカ」はショパンの
中の「死を受け入れた人格」であり、それに納得がいかない「アレグレット」
は「死を受け入れたくない人格」(だが死を受け入れた人格に惹かれている)。
つまり自身の死に対する葛藤がどう変化するのか、をショパン自身が
観察者として受け止めていく旅、である。
▼グラフィックス
一言で言えば超美麗。パステル調で柔らかい造形と彩度の高い色調を
極めている。分かり易く言うとFallput3等の対極にあるデザインで
好みは分かれるだろうが美麗であることは確か。
キャラデザインは嫌みにならない程度のアニメ調であり、
肩幅が狭いのが独特なファンタジーっぽさと醸し出している。
▼サウンド
通常のBGMは可もなく不可も無く、ゲーム場面に合わせたもの。
また所々、各章のタイトルに冠せられたショパンの有名曲をバックに、
その曲の由来を解説するシーンがあるという、面白い作り。
効果音は戦闘時を含めて全年齢にしては○。
声優については違和感無く、キャラに合っていて演技力も問題なし。
▼熱中度
比較的オーソドックスな作りのRPGとして、戦闘が抜群に面白いため
熱中度は高い。また、多彩なキャラの中で気に入った人物をどんどん
使って育成する面白さもある。
・戦闘について補足
戦闘については「ジャンプの無いヴァルキリー・プロファイル2」と言えば
分かり易いかもしれない。つまり移動マップ上での敵との接触位置、
戦闘時に敵に攻撃する際の位置…と、位置取りがまず重要。そして本作の
独自性として重要なのが「防御」。敵の攻撃に合わせてボタンを押すだけ
だが、そのタイミングがかなりシビア。だが巧く防御しないと大ダメージを
喰らってしまう。後半には「反撃」も可能となり、その駆け引きが面白い。
また、基本として「必殺技が使いたい放題」という点が良かった。
MP・SPといった変動パラメータ管理が無い快適さと、自分の腕しだいで
どんどんダメージを与えられる。
この戦闘システムは秀逸と言っていいだろう。
▼満足感
システム、グラフィックス、シナリオ共に良好で個人的には大満足。
この作品に抱いていたイメージはプレイ前とプレイ後で大きく変わった。
具体的には「ほのぼの系の子供向けRPGか?」と思っていたらクセになる
戦闘システムを搭載した良作RPGだった、という。
また、エンディングが非常にしっかりとした作りで、本作を総括した上で
「何を伝えたかったのか」を纏めてくれている。そこには好感を持った。
▼快適さ
特に損なわれている要素は無いはず。言われるほどセーブが遅いわけではない。
基本的にレベル上げ、金稼ぎをする場面も無い認識。
BAD/REQUEST
個人的には特になし。
▼良い意味でのギャップ
「シナリオが意味不明」「戦闘が難しすぎる」といった感想を持つ方が
いるように、プレイ前に持つ本作のイメージは「低年齢向け?」となるはず。
しかし中身は戦闘・シナリオ共に、ある程度大人でないと理解するのが厳しい
出来であるため、上記の齟齬が生まれるのかなと感じた。
しかし、ある程度年を重ねていれば「意味不明なシナリオ」でも
「難しすぎる戦闘」でも無いわけで、そこは強調しておきたい。
(シナリオやメッセージについてはエンディングであれだけ
解説されているのに…というのが本音)
▼サブイベントが少ない
もう少し寄り道的なイベントは欲しかったかもしれない。
また2週目限定イベント・ダンジョンはどうかな、という点。
一本道であるため、さすがに2週やるのは厳しい。
COMMENT
不当に評価が低い国産RPGの傑作。
見た目やプレイ前に抱くイメージとは違い、これは
「美麗グラフィックスでシナリオが独特な、戦闘が面白いRPG」。
あえて書くなら、「戦場のヴァルキュリア」等といった本当の意味での
子供向けRPGとは違った、大人向けの作品。
そう言う意味でマーケティング的にはやや空回った部分があるかもしれないが
是非、先入観なくプレイして欲しい作品だと思う。
「国産RPGで面白いの無いかな〜」と思っている人におすすめ。
液晶20型・D4